登録申請に必要な書類の一つに、「業務等に関する書面」(別記様式第四号 第七条関係)というものがあります。

その書類では、「1 業務の状況」として、契約件数や管理戸数等を記入し、

「2 財産の分別管理の状況」として、受領した家賃、敷金、共益費その他の金銭の分別管理の状況に☑を入れる必要があります。

このページでは、財産の分別管理について、解説いたします。

財産の分別管理の必要性

トラブル事例

賃貸住宅管理業者が、入居者から家賃等の金銭を徴収したものの、その金銭を自らの資金繰りに流用。本来オーナーに支払われるべき金銭が支払われず、入居者及びオーナーが不足の損害を被った。

上記のようなトラブルを防ぐためには、管理業務において受領する金銭を厳格に分別管理することが必須となります。

また、管理受託契約に基づく管理業務において受領する家賃、敷金、共益費その他の金銭が自己の固有財産であるか、及びいずれの管理受託契約に係るものであるかが、自己の帳簿により直ちに判別できる状態で管理する必要があります。

そのため、法第16条では、「賃貸住宅管理業者は、管理受託契約に基づく管理業務において受領する家賃、敷金、共益費その他の金銭を、整然と管理する方法……により、自己の固有財産及び他の管理受託契約に基づく管理業務において受領する家賃、敷金、共益費その他の金銭と分別して管理しなければならない」と定められています。

分別管理に必要な要件

下記①②の両方の要件を満たす必要があります。

  • 口座分別の方法により、管理業務において受領する家賃・敷金等の金銭を管理するための口座を自己の固有財産を管理するための口座と分別して管理する方法(契約者ごとに口座を設ける必要はない)
  • 受領した金銭がいずれの管理受託契約に基づく管理業務に係るものであるかが帳簿や会計ソフト上で直ちに判別できる状態で管理する方法

入居者から受領した家賃等が、一時的に賃貸住宅管理業者の固有財産を管理する口座に入金されている場合は許容されますか?

家賃等を管理する口座にその月分の家賃をいったん全額預入し、当該口座から賃貸住宅管理業者の固有財産を管理する口座に管理報酬分の金額を移し替える等、家賃を管理する口座と賃貸住宅管理業者の固有財産を管理する口座のいずれか一方に家賃等及び賃貸住宅管理業者の固有財産が同時に預入されている状態が生じることは差し支えありません。

ただし、この場合においては、家賃等又は賃貸住宅管理業者の固有財産を速やかに家賃等を管理する口座又は賃貸住宅管理業者の固有財産を管理する口座に移し替えることとしています。